星だけが僕を見ていたvol.5
5、ふたり 二日後の昼、僕は下北沢の駅前で亜季さんを待っていた。いろんな髪型や服装をした人達でごったがえす中、約束の時間を過ぎても現れない待ち人。こんな時、僕の心は穏やかでいられない。 あの日から、一学年下(誕生日の関係で同じ18歳だったけれど)の女の子に完全に心を奪われて...
星だけが僕を見ていたvol.4
4、夏の日のこと その後も僕達はしょっちゅう会って遊んでいた。そして僕達三人の関係が深まるにつれて、亜季さんは他の第九のメンバーとも関わっていった。黒田君は「亜季の意志だ」と言っていた。そうしていく中で、どこからともなくこんな話が持ち上がっていた。...
星だけが僕を見ていたvol.3
3、鎌倉へ 1999年8月19日の朝、僕は小田急線千歳船橋駅のホームのはじで亜季さんを待っていた。多少早めに着いたのだが、約束の時間が少し過ぎただけでかなりそわそわし始めてしまった。 「本当に今から鎌倉に行くのかな。時間過ぎても来ないし、中止になったのかな。携帯も持...
星だけが僕を見ていた vol.2
2、予感 また、黒田君に呼び出された。今度は渋谷だった。 この時、僕は携帯電話をもっていなかったので、前日に家に連絡をもらうという昔ながらのスタイルの待ち合わせだった。 僕はこの頃、予備校の夏期講習以外にさして予定は無かった。普通、浪人生なら勉強しなけれ...
星だけが僕を見ていた vol.1
2002~2004年に書いた自伝的小説です。まずは「星だけが僕を見ていたvol.0」よりご覧下さい。 1、椎名亜季 あれから三週間がたった。僕は葬式の次の日こそ予備校を休んだが、それからはまた受験勉強の毎日へと戻っていった。 ...
星だけが君を見ていたvol.0
2002年~2004年に書いた自伝的小説です。 0、 プロローグ 「慎一が・・・」 勝さんは電話越しにそう言いかけて次の言葉につまっていた。 慎一、つまり小林慎一君は高校時代の友達だ。ベートーヴェンの第九番交響曲を歌う会、通称「第九」で知り合った。笑顔がす...
「流星群」収録分(歌詞ページ)
「ココロ」 少し寒いからこっちにおいでよ 夜も遅いから冷えてきたみたい 明日の朝も早いんだよね テレビも止めて今日はもう寝ようか・・・ 「一人にしてよ あっちにいってよ」 言いそうになるから避けたりもするんだよ そんなコロコロ変わるようなやつだよ だからあんまり信用するなよ...
初期作品(歌詞ページ)
「ドリー」 何十億光年の彼方からお前はやってきたのか それとも地球最後の生命体として生まれてきたのか 神の使者か 悪魔の手先か ヒトを裁きに来たのか それとも試験管の中で孤独に生まれた子羊なのか 何十億もの年月だけの歴史が刻まれている...
アルバム未収録(歌詞ページ)
「進化論」 理由の無い事だけが二人の愛を壊すのかもしれない 形の無いものだけは誰しもうまく掴めないものだから 正直に言えばいいさ 嘘だってつけばいいさ 「矛盾」なんて知ったことか 大事なものがわかってればいい 大丈夫だよ 遠回りに見えてもそれは真っ直ぐな道だよ...
「少年の一生」収録曲(歌詞ページ)
「君の声」 君を連れて行けたなら良かった 暖かい日に きっと世界が少し変わって見えただろう 少しづつ冷たくなる空気にココロ強張っても 何度でも巡り来る春を思い出せたろう 君の中で君は叫ぶ 大きな声 その声を押し殺して君は何がしたかったの?...