「ひとしずく」収録曲(歌詞ページ)
「In this room」
海岸沿い歩いたら割れた貝殻ばかり見つかった 全部拾い集めたら 抱えきれなくなるだろうけど
寄せ波が消してゆく足跡をずっと眺めてた まるで生まれては消えてく命をみるように
「時間が消してゆく全てのものに鎮魂歌を」
なんて云うつもりは無いけれど 生まれた時からの寂しさは 消えないから
In this room 君に伝えたいこと 話しておくよ 聞いておくれよ いつか僕も忘れてしまうかも けれど君が覚えてくれてたならいいな
騒々しい街並みにいつも溜息ばかりついていた 「全部拾い集めたら」なんて する気にもならない けど
人波が消してゆく 名前を全部消してゆく まるで生まれては消えてく時代をみるように
「自分が消していた全てのものに鎮魂歌を」
そう思いながら歩いてきた ずっと抱えてたひとりごと 君には言うよ
だから 何でもない事でも話しておくれよ まとまって無くてもほんとに構わないから 君が想うことの全てが 僕にとってのいとおしいもの
In this room 君に伝えたいことを話しておくから これは君だけへの詩 いつか君が忘れてしまっても 構わないんだよ ただこの時が 僕にとっての幸せなのかもしれないんだよ
だからいいんだよ・・・
「悲しみが落ちてゆく」
小さな雨粒が 一つ一つ 落ちてゆく 誰かの悲しみが 一つ・・・
どんな想いで始まりを迎えたのかな そんな昔のことじゃないのに どんな思い出 二人で描いてきたっけな そう いつかは忘れるの?
写真付きのコルクボードが取り残される・・・
泣いてる君にかける言葉が無いよ ただ見てるだけしか出来ないよ 震える目の前の君を抱きしめたくて でもそれも してはいけないことと知っていた
どんな言い訳 別れの理由にすればいいかなんて考えた・・・
何度も僕はひどい言葉を吐いて 君を多分傷付けたかったんだろう そうして僕がまた君とは違う人と同じこと繰り返すのならば いらないんだ 僕なんか
君がくれた手紙の文字や 僕が撮った君の横顔 どんな思い出にしたいのかもわからなくて
何度も僕は君を思い返す 何度も 何度も・・・
小さな雨粒が 一つ一つ 落ちてゆく 誰かの悲しみが 一つ一つ・・・
いつしか雨粒はその地面に溜まってく 僕らの悲しみが 一つ一つ 落ちてゆく
「渦」
手足がもしも無くなって僕の形が変わったら 心のカタチも変わるだろう それと同じ事
鏡に映るその顔に悪いデキモノが出来たのは バランスが崩れたせいだろう ようやく気づいた
行き場のない想いが渦を巻いて 知らぬ間に溺れてた
涙さえ叫びさえ渦は飲み込んで 遣り場など何処にもない 一つだけ残された真実の道は この手で拓く
この眼がいつか閉ざされて僕を暗闇覆うのなら 世界のカタチも変わるだろう そう見えるのだろう
「不安定なイキモノよ」
心さえ命さえ渦は飲み込んで 逃げ場など何処にもない 一つだけ携えた使命と共にこの道をゆく この足で往く
雨が降るより早く 人は乾き始める 恐れ知るより早く 人は人を求める 答え知るより早く 人は渦に飲まれて 溺れ死ぬより早く 人は藁をも掴むのだろう
心さえ命さえ僕は飲み込んで 何がしたかった?
今 涙さえ叫びさえ渦は飲み込んで 遣り場など何処にもない 一つだけ残された真実の道はこの手で拓く この足で往く
「コール」
着信があった 君からだった 何だろうな 思えばほんとに久しぶりだな どうしてるかな
今度会うときは違う姿で なんてずっと思ってたっけなぁ
意を決した僕の鼓動とコールの音 星空の下 響いていたコールの音 遠い世界から繋がった音 けれど僕は忘れていたんだ 君の声を
どんなに経っても忘れたくないと思えた事だからひどく驚いて 悲しみとは違う感情の中で揺れる僕に見知らぬ声が聞こえていた
君は怒った 「何よそれ」って怒ったんだ けれど何だかそれがかわいくて笑ったんだ
僕の世界はね 君だったのにこんな風に変わってくのかな
けれど君の事忘れたくないと思っていることは何も嘘じゃなくて 君の言葉に支えられたから今の僕があること それを伝えたくて
けれど何も伝えられずにあの日僕は電話を切った 出来ることなど何もないままココロだけ取り残される
「どんなに経っても忘れたくないよ 僕の世界は君だった」
今もずっと鳴り続けるコールの音 いつかの僕が呼び続けるコールの音・・・
「ひとりごと」
うつむいて歩いてたら 小さな自分に気が付いた 街灯に映された影が寂しそうにしていたからさ
僕よりも大きな手 あの人が描いていく未来 眩しくて そう眩しくて そんな気持ちになったのかな
本当は誰より弱いから 光ある道が欲しいのに 何も出来ずにいるからさ 言葉で塗り固めてきたんだ
うつむいて歩いてたら大事なものさえ気付かない 時々振り返ってみても後悔ばかりが目に付いた
うつむいて歩いてたら頭が重たくなっていた 危険なものにひかれそうさ 信号の色は赤なんだ
本当は誰より弱いから 何かを信じて居たいのに 裏切られるのが怖いから 冷めた目する振りしているんだ
うつむいて歩いてたら悲しい笑顔の君がいた そんな顔をさせていたのは紛れも無くこの僕だった
僕よりも小さな手 その手で包んでくれないか 誰よりも優しいその手 僕が誰よりも知ってるよ
「ありがとう・・・」 その気持ちだけを忘れずに 真っ直ぐじゃなくてもいいからもう少しだけ歩いてゆこう
うつむかず前を見たら たくさんの命が輝いて この道を照らしていたんだ それにもう一度気付いたよ・・・